秋の紅葉狩り移動運用記

00−10−31

JG1BIL/菊地

 今回の移動運用は年間行事のひとつ、JI1YPD本社ビルハムクラブとJA1YVT東芝府中アマチュア無線クラブの合同移動運用である。
 総勢14名の移動隊を集っての大エベントとなった。

移動地は、信州の大変珍しいところ、長野県北佐久郡北御牧村(キタミマキムラ) JH1MKU局 早武さんの生まれ故郷でもある、泉質の良い温泉地であった。
今回はその移動運用を紹介します。

1.2mHB9CVの制作

 今回の移動運用は、大変珍しい2mHB9CVスタック化を図り、どこまで飛ばせるか? またその性能はどうなのか? モービルアンテナと比べてどの程度効果がでるのかを体験することを目的に、2mHB9CVアンテナの制作に取りかかった。

アンテナは、6mで実績のあるショートカットバーの無いタイプのHB9CVである。(以前JF1RWZ局(岡村さん紹介)JR1NNLさんのHPより)
 前回ATAC総会の時、
JR1MXX局(高橋さん)のシャック訪問時に戴いた2mHB9CVを手本にして、エレメントをロッドアンテナに変更したヒューズホルダータイプを2本制作した。
 ロッドアンテナにしたのは、FM帯からSSB帯までSWRを簡単に調整できるのと持ち運びがコンパクトで移動運用に適しているからである。
しかし、あらためて材料費を算出するとBNC T字コネクターとBNC−M変換コネクターを使用したせいもあってかなり割高になってしまった。(注文生産の超高級品か)

問題は分配器。
 
JR1MXX局(高橋さん)から制作図面を戴いたものの、加工精度を考えると難しいので断念。結局、高橋さんに制作を依頼した。TNX 高橋さん

制作材料一覧

 

品名

数量

単価

金額

1

ロッドアンテナ

8

200

1,600

2

ヒューズホルダー

8

140

1,120

3

塩ビ管1m

2

150

300

4

塩ビT字継手

6

50

300

5

同軸3D2V 1m

2

50

100

6

同軸5D2V 2m

2

80

160

7

BNC T字コネクター

2

500

1,000

8

U字金具

1

150

150

9

M型コネクター

4

200

800

10

BNC-M変換コネクタ

2

500

1,000

11

分配器

1

 

-

 

合計

   

6,630

HB9CVスタック組立図(実際は垂直仕様)

ant

 後方               前方

こうして出来上がったHB9CVだけど、果たしてその成果はいかに・・・・。

2.いざ信州へ

朝5時過ぎ起床。
 紅葉狩りの観光客で関越自動車道は相当混雑するかも知れない。早めに信州入りの予定で、共に行動する
JL1OVB(国原さん)と6時に高島平で待ち合わせすることになった。
途中 433.00MHZメインで国原さんを呼んでみたが応答無し。

 待ち合わせ場所に着いても国原さんはいない。携帯電話でモーニングコールをするも、「この電話番号は現在使われておりません」ときた。
初日からいやな予感。
まっいいか。てな訳で車にTVアンテナを付けてニュースでも聞くことにした。

 TVアンテナは、いまは幻となったT社製カーナビゲーションシステムのオプションでダイバーシティアンテナ。最近はやりのアンテナに比べると「ごっつい感じ」だが現役で頑張っている。
天気予報は「曇り後雨」 これから山の上に登るというのに雨だなんて・・・・。

 そうこうする内に相棒の国原さん登場。
現地までの道案内人でナビゲーターを努めて戴きます。
車は、一路、関越自動車道へと向かった。

 さほどの混雑ではないようだ。
県央道からは、
JA1YVTメンバーが合流してくるはず。
連絡周波数は145.44MHZ。

 ワッチしているとJR1MXX高橋さんらしき声が聞こえた。すごい混信。
同乗者は、
JA1YVTの大江会長(JR1RJQ)。今回は都合が付き久しぶりの参加とのこと。

 我々の車は38Kmポスト付近。どちらが先行しているか? どうやら17Kmポスト付近でどうやら我々の方が早いようだ。
どこかのパーキングで待ち合わせしようということで、高坂PAに進入して行った。
待つこと20分程度か高橋さんの豪華な車が滑り込んで来た。
更に、
JN1NDH局(大平さん)がこちらに向かっているらしい。

 JI1YPD若手のホープ7M3HUP局(和智さん)は?連絡周波数で呼んでも応答がない。さては朝寝坊か? 携帯でモーニングコールすると今起きたとのこと。携帯が目覚まし替わりになってしまった。
 予想的中。(これで3回目)
そんなこんなでもたもたしている内に、関越自動車道は混雑して来たようだ。
大平さんも登場、同乗者は
7L3KJV局(星川さん)。
関越道入り口は大渋滞になりつつあるらしい。

 早めに出発する事にした。ここから道先案内人は大平さんに一任。大平車が1号車で先頭、間に高橋車最後に3号車の菊地車で構成。今起きた和智車は単独で長野入りをすることになった。

 大平さんからこれからの道順が案内された。マイクを持つと生き生きするのは皆同じか無線家の習性か。

「これからのコースを案内します。関越道から上信越道に入り、碓氷軽井沢でおりて元祖釜飯を購入します。天皇陛下のロマンスを語るプリンス通りから中軽井沢経由浅間山の麓「嬬恋村」を通り、山の上で見晴らしの良い場所で運用して夕刻には北佐久郡北御牧村に現着します」と。バスガイドさんのような声で案内してもらった。

 大平さんの出身は? 「福島県」ということでまたビックリ。
JA1YVTの層の厚さに脱帽するばかりでした。何度も移動を重ねると観光バスのガイドさんを上回る土地勘が身に付くようだ。
途中から雨模様になってきた。
気温も低くなっている。吐く息も白くなっているようだ。

3.標高1400mの運用

kinen 天皇陛下御用達軽井沢プリンス通りの紅葉は、作られた盆栽の色彩が濃く、いかにも人工的であったのに対して、山の上の紅葉はなんとも自然的で、すばらしい紅葉が満喫できた。

 山の上の駐車場 T社製カーナビゲーションは標高1400mを指している。
ここは、群馬県吾妻郡嬬恋村
東経138.33.46
北緯 36.25.22
バックには浅間山がそびえたっており、最近噴出した火山灰でネズミ色がかっている。

(左後方からから星川さん、国原さん、大江さん、大平さん、前列左から菊地、高橋さん浅間山をバックに記念撮影)

 外に出るとさすがに寒い。おもわずブルブルっとくる。風邪をひかないように気をつけなければならない。
積んできた荷物を下ろし、HB9CVの組立に入る。
もともと移動用に作っただけあって組立はいたって簡単。調整も含めて10分もあればOK。

 ロッドアンテナを伸ばして予め印を付けておいたところで止める。 フロント片側482mm、バック片側は509mmで固定。

クラニシBR200SWR計で計測。
一発でSWR計は1.1を指していた。setuei

なんとこのアンテナは再現性が良いのだろう。

 そのうちにSWR計の針が微妙に揺れだす。何だ!何だ? ふと隣を見るとJA1YVT技術班がHFダイポールを張って試験電波を出していた。

(HB9CVスタックの組立)

 このクラニシのSWR計は干渉に弱い。(東芝ビル39F会議室でも東京タワーの電波が強すぎて干渉を起こしていた。)

さて、いよいよ運用開始。

JA1YVT技術班は、7MHZ、21MHZ、のダイポールに、6mHB9CV。今回の2mバージョンの原型だ。

 JL1OVB(国原さん)は430MHZを運用している。
「CQ、CQ、CQ 2m こちらは
JG1BIL/1 群馬県吾妻郡嬬恋村移動 どなたかお聞きの局はございませんか?」

 何も聞こえない・・・?
メインで再度コールする。
少しノイズもあるようだ。何か抑圧気味。隣の430MHZの影響もあるか?
何度かCQを出すうちに、東京都中野区から応答があった。XYLさんだった。
59のリポートを貰った。電波は飛んでいる。すかさず「ありがとう」と声を掛ける。

 やった!やった! アンテナを手回しで回すとそれなりにFB比も出ているようだ。
その後、数局と交信できたものの、土曜日のせいか、あまり聞こえない。
やはり標高1400mの場所は寒い。次第に身体が冷え切って行くのがわかる。寒さのせいで持ってきたバッテリーも、通常より早く上がってしまう。

 それでもCQを出していると、先に長野入りしている7L3ATQ(岡本さん)から声が掛かった。
リポートは54とのこと当局にも54で入感している。
今度は、HB9CVスタックを止めて、シングルで試してみることにした。
どれだけかわるのだろう。?

 「7L3ATQ/0入感ありますか? こちらはJG1BIL/1」 しばらくすると、「こちらは7L3ATQ/053から54程度で入感しています。」
あれ! あまり変わらない。?
HB9CVはスタックにしてもあまり変わらない? 岡本さんいわく、「2エレHB9CVはもともとビームパターンが鋭くないのでスタックにしてもそんなに変わらないと思うよ」だって。

「う〜ん」と唸ってしまった。

でもスタックのほうが多少なりとも変調は深いような気がした。またノイズも少ないような気もした。としきりに納得し続けるJG1BILでした。
 文献でもスイスクワッドのようなビームパターンになると記憶がある。 利得が10
dbを超えるかも知れないと書いてあった。
いずれにしても、自分で制作したアンテナから電波が出て東京まで飛んで行ったのだから「目出度し目出度し」ということにしよう。

antena技術班のJRAMXX高橋さん大変お世話になりました。
制作して戴いた分配器も正常に作動していたようです。
今度は、少しエレメントを増やして、4エレメントスタック程度で試して見ようと思う。間違いなくGAINは上がるはず。スタック間隔も調整してみる価値がある。文献では0.65λらしい。
様々な思いをよぎるものの、寒さに耐えられなくなり、撤収を始めた。
やはりもう少し温かい季節がいいな!。

 

(技術班の星川さんと大江さん。6mHB9CVと21MHZインバーテッドV)

この運用記の感想はJG1BIL菊地さんへお願いします

fukuya.kikuchi@pep.ne.jp

 

 

back仲間の移動運用記ページに戻る